ROCKMANX 〜紅いハンター〜
ブレイドさん作
第3章 死闘の果てに
「ここか・・・」
ゼロはとある場所に辿り着いた。そこは、今までのエリアとはまるで違い、見るからに電脳空間に入ったような雰囲気を出している場所だった。
ゼロは、今までの量とは比べ物にならないほどのイレギュラーを、次々とセイバーで斬り捌いて行った。
途中、凄まじいまでの大きさで丸い形のイレギュラー、目を出して攻撃をしてくる巨大な壁のイレギュラーが居たが、ここまで来たゼロに、もはやそのようなイレギュラーは敵では無かった。ゼロは難なくセイバーで叩き斬って行った。
そして、ゼロは倒した後、何かを発見した。
シグマウイルスらしき物体。だが、それは、自分―ゼロの形をしたシグマウイルス―「ゼロウイルス」であった。
「あれは・・・ゼロウイルス!!」
そして、ゼロウイルスは、その声に反応するかの如く、ゼロに突進を仕掛けて来た。
「似たような手には乗らん!!」
そういって、ゼロはゼロウイルスを素早くかわし、先へと進む道へと走った。
イレギュラーを倒し、想像を絶するほどの仕掛けをこなし、ゼロウイルスを避けつつ、ゼロはある部屋へ辿り着いた。
「この部屋は・・・?」
広々とした空間。だが、今までと違い、何者の気配も感じられない。
「どうやら、ここには何も無いみたいだな」
そう言って、ゼロは先を急ごうとした。だが、ゼロが次に見たのは、にわかに信じがたい光景であった。
「ゼロ・・・待っていたよ」
「エックス!!何故ここに!!」
そこには、先程までシグナスと話をしていたエックスと、2体のライフセイバーが現れたのだ。
「エックス・・・今のゼロは危険すぎる!!何故、ゼロはウイルスに何とも無い!!むしろパワーアップしているではないか!!このまま行くと・・・我々にも危険が及ぶ可能性がある!!」
「やめるんだ、ライフセイバー!!ゼロに限ってそんな事は無い・・・けど・・・有り得ないとも言い切れない・・・」
エックスはそう言うと、ゼロの方を向き、
「ゼロ・・・今からでも遅くはない・・・帰って、精密検査を受けるんだ!!このままだと危険すぎる!!」
エックスは、ゼロにそう言った。
だが、ゼロの口からは、思いがけない言葉が出た。
「・・・断ると言ったら?」
「ゼロ・・・君を力ずくでも連れて帰る!!」
「エックス・・・お前にオレは倒せん・・・その甘さを無くさない限り・・・」
「そうか・・・」
そう言うと、エックスはライフセイバー達の方を向き、こう言った。
「ライフセイバー、ハンターベースへ戻ってくれ。おれは必ずゼロを連れて帰る!!」
エックスのその一言で納得したのだろうか、2体のライフセイバーはこの場を後にした。
そして、エックスはゼロの方を向き、こう叫んだ。
「アーマー、転送!!」
その声に合わせ、エックスの体に、瞬時にしてアーマーが装備された。それはまさしく、エックスの生みの親―「ライト博士」が作り上げた究極のアーマー―「アルティメットアーマー」であった。
「行くぞ、ゼロ!!」
「来い、エックス!!」
こうして、エックスとゼロ、親友同士の戦いが静かに幕を明けた・・・・・・・・・・・・。
2人は、最初の位置から動こうとしなかった。いやむしろ、初撃のタイミングを見計らっているのだろうか、2人は構えたまま動こうとはしなかった。
しばらくして、エックスとゼロの間で“何か”が同時に動いた。
そして、2人はついに行動に出た。
「当れぇぇぇ!!!!『プラズマチャージショット』!!!!」
「はぁぁ!!!!『ゼットバスター』!!!!」
初撃は2人ともバスターであった。
互いに異なる特徴を持つバスターは、中心で激しくぶつかり合い、消滅した。
(互角・・・!!ならば・・・!!)
互いにそう思った2人は、すぐに次の行動に出た。
「行っけぇぇ!!『フロストタワー』!!!!」
「喰らえぇぇぇ!!『滅閃光』!!!!」
上空から落ちてくる凄まじい大きさのつららを落すエックス。対して、右手に莫大なエネルギーを貯め、それを地上に叩きつけ、一気に8方向にエネルギー弾を飛ばす。両者のエネルギーがぶつかり合い、フロストタワーは壊れ、滅閃光は消えた。
「ゼロ・・・どうしても帰る気は無いんだね・・・?」
「今更になってその台詞は遅い!!」
そう言って、ゼロは再び構え、エックスに飛び掛った。そして、
「はぁっ!!!!『双幻夢』!!!!」
そう叫ぶと、ゼロの前に、ゼロのシルエットのエネルギー体が現れた。そして、
「『三日月斬』!!!!」
ゼロはそう叫ぶと、空中で円弧状のエネルギーカッターをセイバーに込め、縦に一回転して振り下ろした。
「うわあっ!!」
突如の攻撃に不意をつかれたエックスは、そのまま壁に吹っ飛んだ。
「エックス。それがお前の弱点だ。お前は、甘いんだよ」
「それは君も一緒だ、ゼロ!!」
そう言って、エックスは上空へ高く飛び上がった。そして、
「はぁっ!!!『ソウルボディ』!!!」
そう言って、エックスはゼロの双幻夢と同じような分身を何回も出し、突進させた。
「『滅閃光』!!!!」
ゼロはそれに合わせ、滅閃光を再び放った。だが、エックスのソウルボディの連射力に負け、
「ちっ!!!ぐあああ!!」
ゼロは、思いっきり吹っ飛ばされた。
「ゼロ!!君もおれ相手だと甘い!!おれは・・・必ず君を連れて帰る!!」
「やるじゃないか、エックス!!だがオレも、負けるわけにはいかん!!」
そう言って、二人は再び間合いを取り、攻撃を仕掛けた。
「行けぇぇぇ!!『ダブルサイクロン』!!!!」
「せいっ!!!『疾風』!!!!」
前後に竜巻を発生させ、相手に浴びせるダブルサイクロン。目にも止まらぬ速さで自分の分身を突進させる疾風。互いにぶつかり合った2つの技は、巨大な竜巻を起こし、風となって消えた。
ここまでほぼ互角。
だが2人は、まだ戦いを止める気は無かった。
「『ライトニングウェブ』!!!!」
「『電刃』!!!!」
電磁波を蜘蛛の網のように発射するエックス。セイバーに電気エネルギーを込めて斬り上げ、そのライトニングウェブを一刀の下に斬り裂くゼロ。
まさに、熾烈な戦いを繰り広げて行った。
2人の戦いは、凄まじい勢いで繰り広げられて行った。
(そろそろ決着をつけないと・・・!)
2人はもう体力の限界まで来ている。
エックスの特殊武器は全て使い果たし、頼れるのはバスターと、アーマーを変形させて繰り出す「大技」だけである。だが、この体力ではその切り札も何発放てるか解らない。
(この一撃で・・・決めないと・・・!!)
ゼロは残りの必殺技がかろうじてあるものの、あと数発繰り出せるかどうかも解らない。頼れるのは、残りエネルギーを全て滅閃光のエネルギーに変換して出す「あの技」だけである。だが、「あの技」は一度しか使う事が出来ない。
(次で・・・決める・・・・!!)
お互いにこの一撃で決める構えを取った。
「行くぞ、ゼロ!!!!!!!」
「終わりにしてやる、エックス!!!!!!!」
そして、二人の声が重なった。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そして、2人は己の全てを託し、最後の一撃に賭けた。
「行くぞぉぉぉ!!!!!『ノヴァ・ストライク』!!!!!!!!」
「必殺!!!!!!『真・滅閃光』!!!!!!!!!!!!」
アーマーを飛行形態に変形させ、一筋の光となって突っ込む、超高速突進攻撃―『ノヴァ・ストライク』。
残り武器エネルギーを全て滅閃光のエネルギーに変換、そのエネルギーを右手に集め、地面に叩き込み、地面から無数のエネルギー弾を発射する技―『真・滅閃光』。
互いの技はぶつかり合い、激しい光を出した。
「うおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
そして、光は消えた。
2人は、元の位置に居た。
「くっ・・・」
先に体制を崩したのはエックスであった。
「何とか・・・なったな・・・・」
ゼロは、少しばかり安堵の色を浮かべた。
だが、その考えが甘かった。
「・・・・ソウル・・・・ボディ・・・・・!」
エックスは、倒れる間際に残った力の全てを振り絞り、ゼロに向かってソウルボディを1発放った。
そして、エックスはその場に倒れた。
「な、何・・・・・!」
ゼロは、避ける間もなくエックスのソウルボディをまともに浴びた。
「さ・・・さすがだな・・・エックス・・・お、オレとした事が・・・・最後に油断してしまった・・・・ソウルボディを・・・・・放つとはな・・・・・」
そう言った後にゼロは、
「く・・・くそっ・・・・意識が・・・・・・・」
そう言って、ゼロもその場に倒れた。
2人はお互いに倒れたまま、起き上がる気すら感じさせなかった。
そして、エックスの後ろに、悪魔―「シグマ」が現れた。
「フハハハハ!!!!よくやった、ゼロ!!!!」
そしてシグマは右手にエネルギーを貯め出した。
「ゼロ・・・お前の望みどおりエックスをあの世へ送ってやる!!」
シグマは、エックスに狙いを定めた。
だが、その声で、ゼロがかろうじて目を覚ました。
(く・・・・。はっ、あれは・・・シグマ!!!)
ゼロの目に映ったものは、今まさにエックスを消し飛ばそうと思わんばかりのシグマの姿があった。
(まずい!!!このままでは!!!!)
ゼロはそう思うと、エックスの方に走り出した。
「死ねぇぇぇ!!!!エックス!!!!!!」
シグマは、そう言ってエネルギー弾を放った。
「させるかぁぁぁ!!!!お前のやる事などお見通しなんだよ!!!!」
そう言ってゼロはエックスの前にバスターを構えたまま飛び込み、そのエネルギー弾に向かって渾身の力を込めたゼットバスターを放った。
そして、互いにぶつかり合ったエネルギーは激しい音をたてながら消滅した。
「ハァ・・・・・ハァ・・・・・」
だが、ゼロは体力の限界をとっくに過ぎており、立っているのがやっとの状態だった。
「ゼロ・・・目を覚ましていたのか!!!キサマは相当弱っているみたいだが、この場は引いてやる。死にたければワシの所へ来る事だな!!!!ファーハハハハハハ!!!!!待っているぞ、ゼロ!!!!!」
「待て・・・シグマ・・・・」
そう言って、シグマはこの場から消えた。
「大丈夫か、2人とも!!!!!」
エックスとゼロは、何とかハンターベースに戻った。シグナスは、急いで二人の下へ駆けつけた。
「ああ。何とか大丈夫だ。すまなかった、エックス」
「おれもだ、ゼロ」
だが、そうやって無事を確かめ合う暇も無かった。エイリアからまたしても通報が入ったのだ。
「先程までのポイントにとてつもなく大きなウイルス反応!!!!!あまりにも大きすぎてデータに収まりきらない・・・これは・・・間違いなくシグマだわ!!!!!!」
とうとう、シグマと戦う時が来た。
「いよいよシグマとケリをつける時が来たか・・・」
全てを決意したシグナスは、2人に命令を下した。
「よし!!!これが最後の闘いだ!!!!エックス、ゼロ!!!!絶対に戻って来い!!!」
だが、その命令に反して、ゼロはこう言い放った。
「待ってくれ!!!!ここは、オレ一人で行く!!!」
「だがゼロ、それはあまりにも危険すぎる!!!!」
「行かせてくれ・・・・この手でシグマとのケリをつけてやる!!!」
「・・・解った・・・だが・・・必ず戻って来い・・・」
「ああ。だがもし、何かあったらその時は頼む」
ゼロはそう言うと、エックスの方を向き、
「じゃあなエックス。行ってくる!!」
「ゼロ・・・死なないでくれ・・・・必ず・・・・生きて帰ってくれ・・・・必ず・・・・!!!」
「ああ!!!この手でシグマをぶっ潰してくる!!!!」
そう言って、ゼロはハンターベースを後にした。
「ここが・・・・この奥に奴が・・・・!!!待っていろ、シグマ!!!」
ゼロは、そう言うと、すぐさま奥に進んでいった。
途中、復活した8体のレプリロイドと戦う事になった。だが、そんな奴等など、もはや全てを決意したゼロの敵ではなかった。8体の復活レプリロイドを斬り倒した後、突如として金色に輝くワープ装置が現れた。
「あの奥にシグマが・・・・・!!!」
ゼロはそう言って、ワープ装置の中に飛び込んだ。
そしてゼロは、とある部屋へと辿り着いた。
巨大なスクリーン。
それに浮かぶ2体のレプリロイドの図。
そして、その図の下に置かれた、赤色のカプセルと青色のカプセル。中身はもう無い。
(ここは・・・一体・・・・!)
と、部屋の上から声が聞こえた。
「驚いたか、ゼロ!!!ここはなぁ・・・キサマとエックスが発掘された場所なのだ!!!」
「お前は・・・シグマ!!!!」
そこに現れたのは、見間違う事もない、まさしくシグマそのものだった。紫色のマントをつけ、狂気の笑いを浮かべている。
「ゼロ・・・・ここがキサマの墓場だ!!!!」
シグマはマントを脱ぎ捨て、ゼロに言い放った。
「決着をつけてやる!!!!行くぞ、シグマ!!!!!」
こうして、決戦が始まった。
高速で、かつ隙の無い攻撃を放ってくるシグマ。壁を蹴りながらの突進攻撃。紫色のエネルギー弾を連射。すさまじく巨大な衝撃破。そして、シグマウイルスを身に纏っての突進攻撃。ゼロは何とかかわしながらも、技が終わるわずかな隙を狙い、攻撃を与えていった。そして、シグマが突進攻撃をして来た時に、ゼロはその攻撃をすんでの所でかわし、シグマの後ろに降り立った。
「何!?」
不意をつかれたシグマは、無防備状態に陥った。
「これで終わらせてやる!!!!!はぁぁっ!!!『電刃』!!!!!」
ゼロは、渾身の力を込め、シグマに電刃を放った。
「ぐぅわああああああ!!!!」
シグマは、激しい声を上げながら、爆発を起こした。
「終わった・・・か・・・・」
だが、突如として部屋全体が真っ暗になった。
そして、その闇の中から声が聞こえてきた。
「ゼロ・・・・今回はキサマの事をよく知る老人と出会ってな・・・・協力してもらった。その老人は狂っていた。そして・・・・その老人はワシに向かってこう言ったのだ」
まさしく、それはシグマの声であった。暗闇の中に現れたシグマは、凄まじいまでの大きさをしていた。
「黙れ・・・」
そして、シグマの口から恐ろしい事が発せられた。
「『ゼロの生みの親は、このワシだ』となぁぁぁ!!!!!」
「黙れぇぇぇ!!!!!最後だ、シグマ!!!!!!」
こうして、本当の決着をつける闘いが始まった。
果たして、どのくらいの時が経っただろうか。
ゼロもシグマも、かなり限界まで来ていた。
そして、シグマは最後になるであろう攻撃を、ゼロに向かって放った。
「死ねぇぇぇぇぇ!!!!ゼロぉぉぉぉ!!!」
「死ぬのはお前だ、シグマ!!!!!喰らえぇぇぇぇぇ!!!!必殺!!!!!『真・滅閃光』!!!!!」
シグマの巨大なレーザーと、ゼロの真・滅閃光が激しくぶつかりあった。
そして、ゼロはシグマの巨大なレーザーを押し返した。
「な、何!!?」
「終わりだぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
「ぐうわぁぁぁぁぁ!!!!ごあああああああ!!!!!!」
最後の一撃をもろに押し返され、シグマは激しい断末魔をあげ始めた。
だが、次の瞬間、シグマは自分の腕をロケットパンチ状にし、ゼロを後ろから思い切り掴んだ。
「な、何!!!!?」
「ふ、ファーハハハハハ!!!!!!!キサマも道連れだ、ゼロ!!!!!!!!お前もあの世へ送ってやる!!!!!ぐはぁぁぁぁぁ!!!!!!」
そして、激しいまでの大爆発を起こした。シグマも、そしてゼロもその激しい光にまき込まれた。
「ゼロ!!!どこへ行ったんだ、ゼロ!!!」
爆発が起こり、ゼロの身を案じたエックスは、その場に着き、ゼロを探していた。
と、そこにゼロの姿があった。
「ゼロ!?」
だが、ゼロは無残な姿をして、倒れていた。
「ゼロ!!?ゼロ!!!!」
そこには、爆風に撒き込まれ、体の下半身全体と左腕を失って倒れていたゼロの姿があった。
「ゼロ!?ゼロ!!!返事をしてくれよ、ゼロ!!!」
だが、そこにさらに魔の手が忍び寄った。
そう、シグマもまだ生きていたのだ。ただの残骸と化しながらも、シグマはまだ生きていたのだ。そして、口元にエネルギーを貯め、
「シ・・・シネェ・・・・・・」
そして、シグマはエネルギー砲を放った。
そして、それに気付かなかったエックス。
「ん・・・し、しまっ・・・!」
それに気付いた時はもう遅かった。
シグマのエネルギー砲は、エックスとゼロの胸を貫通させたのだ。
「ぐ、ぐはぁ・・・・ぜ・・・ゼ・・・ロ・・・」
その攻撃に、エックスは倒れ、ゼロは空中に放り出された。
だが、ゼロもまた生きていたのだ。そして、
「死ね・・・・シグマ・・・・・・・!」
ゼロは、残りの力を振り絞り、シグマにゼットバスターを放った。受けたシグマは倒れ、ゼロもまた倒れた。
「エ・・・エックス・・・・さ、最後に・・・・甘さがでた、な・・・・・エックス・・・・お、お前だけでも・・・い、生きてくれ・・・・生きて・・・・」
ふと、ゼロの頭の中に何かが浮かび上がった。
シグマと戦っている自分。
機械に囲まれ、横たわる自分。
夢で何度も見た、老人が居る。
その老人が自分に組み込もうとしているもの・・・そこには「全レプリロイド抹殺プログラム」と書かれていた。
ゼロは、自分の過去を知った。
「そうか・・・・オレは・・・・・」
そして、頭に浮かぶ、とある少女の顔。
「アイ・・・リス・・・・・・すまなかった・・・・・・・・・どうやら・・・消えないといけないのは・・・オレの方らしいな・・・エックス・・・・・後は・・・・頼んだ・・・・ぞ・・・・」
『・・・・エックス・・・出来ればお前にはせめて争いのない世界で過ごして欲しかった・・・・エックス・・・・世界はまだお前の事を必要としている・・・・だから・・・・もう少し頑張っておくれ・・・・・』
戦いは終わった。
「必ず・・・戻ってきて・・・・!!」
エイリアはそう願った。もちろん、他のレプリロイド達もだった。
そして、エイリア達は目の先に影が見えた。
そこに居る全員が、戻ってきたと確信した。
だが、そこに戻ってきたのは、青い光―「エックス」だけであった。
そして、手には見覚えのあるセイバーが握られていた。
―エックスは、悲しかった。
―だが、失った過去は元には戻らない。
―今は自分しか居ない。自分しか居ないのである。
―そして、エックスは今を踏みしめる。
―そう、ゼロの形見―「ゼットセイバー」と共に。
―どこかでゼロが必ず見守ってくれると信じて。
―エックスは、今を進みだした―。
―『お前だけでも生きてくれ、エックス・・・・・!!』