ROCKMANX 〜紅いハンター〜

ブレイドさん作

第1章  覚醒の序曲

 

それは、突然にやって来た。
イレギュラー―平和を乱すレプリロイド―が、街で暴れている、との通報が、イレギュラーを倒すレプリロイドの組織―「イレギュラーハンター」の本部に入った。レプリロイドだけの軍隊―「レプリフォース」が壊滅状態な以上、この事態を解決できるのはイレギュラーハンターだけである。そのイレギュラーハンターの中で、特に腕が良い二人に出撃命令が下された。
ハンターランクはB級であるが、過去に最凶最悪のレプリロイド―「シグマ」を何度も退けている、蒼きハンター―「エックス」。
エックス
の無二の親友であり、特A級クラスの腕を持ち、過去に置ける「レプリフォース大戦」で、エックスと共に活躍した紅きハンター―「ゼロ」。
街で暴れているイレギュラーを静めて来い、との命令で、二人は出撃した。先にエックスが出撃し、エックスとは別の場所を任され、後からゼロが出撃した。

「ここか・・・。確かに、相当暴れてくれたらしいな」
現場に着いたゼロは、その荒れように少し驚いていた。
無残にも破壊され、跡を生々しく残す街。
もはや車では通れなくなっている道路。
そして、我が物顔で暴れているイレギュラー。
「さて。モタモタしていられん。さっさと片付けるか」
そして、そのイレギュラーはゼロに気付いたのだろうか、襲いかかって来た。
「はぁっ!!」
ゼロは、その掛け声と同時に、背中からビームサーベル―「ゼットセイバー」を取り出し、襲いかかるイレギュラーを一撃で薙ぎ倒していった。

「さて、こっちは片付いたか」
周りのイレギュラーを片付けて、ゼロはひとまず本部に連絡を取った。
「こちらゼロ。こっちは片付いたぞ」
「ご苦労、ゼロ」
返事を返したのは、イレギュラーハンターのリーダー的存在―シグナスであった。
だが、ゼロは次の瞬間、衝撃が走るような事を聞かされた。
「ゼロ、片付いてすぐにすまんが、すぐにエックスの方へ向かってくれ!さっきからエックスの反応が止まったままだ!何かあったのかも知れん!」
「何だと!!解った、すぐに向かう!!」
もしかしたら、エックスの身に何かあったのかも知れない。その思いで、ゼロは急いで向かった。

立ちはだかるイレギュラーを斬り倒し、ゼロはエックスの所まで辿り着いた。
だが、ゼロは次の瞬間、信じられない光景を見た。
「何!?どうしたんだ、エックス!!」
「シグマの攻撃にやられてしまってね・・・。アーマーが破壊されただけだから、何とか平気だけど」
「何!?シグマだと!?」
そこには、パワーアップパーツ―「フォースアーマー」を破壊され、その場に崩れているエックスの姿があった。
そして、ゼロはシグマが居る事も気付いた。
「エックス、お前は戻って休むんだ!!ここから先はオレがやる!!」
「すまない、ゼロ・・・」
と言い、エックスは戻っていった。

「ファーハハハハハ!!!!!待っていたぞ、ゼロ!!!」
「お前は・・・・シグマ!!」
そこには、過去に幾度となく倒したシグマの姿があった。だが、見た限りでは、シグマは頭だけのようだ。
「来い、ゼロ!!ワシが地獄へ送ってやる!!」
「地獄へ行くのはお前だ!!」
そういって、ゼロはセイバーを構えた。
かくして、シグマとの戦いが始まった。

口から太いレーザーを発射し、球体のエネルギー弾を激しく撃って来るシグマ。そのシグマの攻撃をかわし、ゼロはセイバーで斬り付けていった。そして、
「はあああっ!」
シグマの猛攻をかわし、隙が出来た所に、渾身の力を込めて、ゼロはセイバーで斬り付けた。そして、シグマは、音を立てて崩れ始めた。だが、
「ファーハハハハハハ!!ワシはこれぐらいでは死なんわ!!全ては計画通りだ!!ファーハハハハハハ!!!!!!!」
この言葉を言い残し、シグマは爆発を起こした。
(いくら何でも呆気なさ過ぎないか?奴は、これぐらいでくたばるような奴だったのか?)
ゼロは、疑問を抱いていた。何か、何か違和感がある。そう感じていた。
だが、次の瞬間、ゼロの元へ、イレギュラーハンター本部の天才オペレーター―エイリアから通信が入った。
「ゼロ、急いでハンターベースに戻ってきて!!」
「どうした、エイリア!?」
「詳しい事は後よ、すぐに戻って!!」
「解った!!」
一体、これから何が起こるのか、その時のゼロには解らなかった。だが、ゼロは感じていた。
(シグマは・・・まだ生きている!!)
そう思いつつ、ゼロはこの場を後にした。

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