ロックマンエグゼ小説

ビスケット・EXEさん作

第8話 永遠の結界!!

 

インフォメーションを出たロックマンはカオスを追ったがもうその姿は見つからず仕方なくプラグアウトすることにした。
 
−プラグアウト−
 
「ロック、お疲れ〜♪」
「さすがに疲れたよ・・・。でも良い情報を手に入れたよ!」
プラグアウトしたといっても表がないのでPETセンターにプラグアウト。ロックは疲れたとでも言うような声を出しながらも熱斗に情報を伝えた。
「多分、本当のアジトは裏インターネットにあると思う。消滅するってわかっている表に自分のナビ達を送るわけにはいかないからね。そして裏は残っている。裏はアジトのために残されたようなものだと思う・・・。」
言われて見ればそうだろう。ナビ破壊を目的にしているやつらが裏を残す筈も無く。ロックマンの説には皆、納得した。

「あっ、ところでよう。ガウスさんはどうしたんだ?」
「ガウスならPETセンターで必死になってバリアを解除してるさ。解除しないとデリートするって言ってあるからな、本人も本気になる筈だ。」
涼しい顔で恐ろしい事を口にする。これにはさすがのメイルもたじろいだ。
しばらくたって・・・。
 
ピーピーピー
 
「おっ、マグネットマンからだ!」
PET画面にマグネットマンが写る。
「・・・・・何とか解除しましたよ。でもあまりに強すぎて止められても10分が限界です。」
誰もが予想した。この答え。待っていたとばかりに熱斗はパパに連絡を取った・・・。
 
「もしもし・・・・あっ、熱斗か!?どうだったんだ!?」
「解除は出来たけれど10分しか止められないよ。」
「十分だ!これから超電圧装置、『リヒトクール』を磁力波にぶつける!これでお前たちは自由に入れるぞ!!」
超電圧装置『リヒトクール』は強力な氷のデータを搭載した電力を磁力波にぶつけることによって磁力のシステムを完全にフリーズさせて動かなくすることの出来る機械らしい。
「よし!準備は完了だ!マグネットマン!すぐそこから裏へ避難してくれ!」
パパがそう言うとマグネットマンは「はいでんな!」っとプラグアウトを始める。
「いくぞぉ!!『リヒトクール』オン!!!」
 
ウィィィィィン・・・・・・・ビビビビビビィ!!!!
 
しばらくの間、磁力波と電圧がぶつかり合う音が聞こえる・・・・。ふっと音が聞こえなくなるとパパからの連絡が入る。
「成功だ・・・・!これからロックマン達を仮想世界に送る!」
 
プラグ・・・・・イン!!

「うぅ・・・・・こ、ここは・・・・・??」
まだ磁力波が残っていたせいか激しく体をゆすぶられてロックマンたちは気絶してしまった。やっと目覚めたロックマンの目に映った光景は・・・。秋原町だった。他の仲間は見当たらない。何もかもが違わない。ロックマンが見たことのある家まである。ただ一つ、違う点は人が一人もいないと言うことだけだった・・・。歩いていくうちに無駄にだだっ広い看板を見つけた。ロックマンの記憶だとここには「秋原町で一番広いプール!グロ−バル公開!」とかいてあった筈だった・・・。しかし、ここには「プリズムタウンで一番広い!ネットショップ!ビスケ・シー!」とかいてあった。よくよく見ると目の前には大きい家が一つ・・・。自然にロックマンの足は目の前の大きい家に吸い込まれていった・・・。
 
「いらっしゃーい!」
家の中は昔あった日暮屋みたくなっていた。カウンターには見慣れたことのあるナビが一人。そう、そのナビとは裏のロックマンズ・インフォメーションで会ったビスケだった。
「こんな所で何してるんですか!?ビスケさん!」
ビスケはビスケットを口にほおばりながら言った。
「ふぇ?ふぁふぃふっへ?(へ?何って??)」
「だから!裏にいる筈のあなたがどうしてこんな所にいるんですか!?」
そろそろロックマンの口調も荒くなる。
「あぁ・・・えっとロックさんもフリーズさんも僕もここへ瞬間移動してきちゃったんだ。」
「瞬間移動!!??」
話によるとビスケはロックとフリーズの治療をしている時に目の目に白い光が現れてここへ吸い込まれていったと言う。ここの生活にすっかり慣れたビスケはこの家をお店に変え、『ビスケ・シー』となずけたのであった。
「あっ、ロックさんなら奥にいるよ。フリーズさんは出かけてるけど・・・。」
ビスケと話した後、後ろにあった扉を開き、奥の部屋に向かった・・・。

「あっ、ロックマンさん!」
ロックの傷はすっかり癒えており、元気そうだった。
「セブンスチップ、集まりましたか?」
今、手元にあるセブンスチップはロック、フリーズから貰った二つ。もう一つはショウライからもらったチップだけだ。
「すいません・・・・まだ全然です。」
ロックマンは残念そうに答える。
「そのことでですね・・・情報が手に入ったんですよ。」
「えっ!本当ですか!?」
「はい。えっとまず仮想世界の地理のことを話さないといけませんね・・・。」
ロックはどこから取り出したのか大きな地図を持ってきてロックマンに見せる。
「ここは静かな町、『プリズムタウン』。ここからまっすぐ行くと『アウトルッキー山』が見えてきます。そして・・・・・・」
秋原町はここでは『プリズムタウン』と言うようだ。ロックは淡々と話していく。ようやく全て言い終わるとロックマンの頭の中はぐるぐるだった・・・。
「すいません、わかりにくかったですね。要はフォールタウンから東へ行ったところにある『フォルダシティー』にあるということです。あくまで情報なのであるかどうかはわかりませんけど・・。」
その話を聞くとロックマンは『ビスケ・シー』を出て行こうとした。
「ちょっと待ってください!フリーズさんがフォルダシティーによっていると思うのでフリーズさんにあってみてください!きっとなにか情報を教えてくれますよ。」
それだけ言うとロックはビスケの元へ向かっていった。
「えっと熱斗君。ここから東の『フォルダシティー』だったよね。みたこと無いウィルスが出るかもしれないからオペよろしくね♪」
「まっかせとけって!」
フォルダシティーに行くには『ラサの森』をこえていかなければならない。ロックマン達はラサの森へ向かっていった・・・。

「うぅ〜・・・・なんか寂しい所だね・・・。」
「あぁ。ウィルスも出てこないしな・・。気味悪いぜ・・。」
最初は話が弾んでいたがこの森の雰囲気に次第に口数も減っていった・・・。そこへ・・・。
「!!、ウィルスだ!熱斗君!」
「よし!行くぞぉ!」
目の前に現れたのは頭に葉っぱを被り可愛らしいウィルスだった。しかし、バトルにはそんなことは言っていられない。ロックマンは腕をファイターソードにチェンジさせると思いっきりウィルスに向かって切りつけた。
「ピギィ!」
ファイターソードが直撃しウィルスは叫ぶ。途端、熱斗のPETにメールが入った。
 
熱斗へ 
仮想世界はどうだ?まだお前は仮想世界にはいけないがいずれいけるようになる。そのときはまた連絡をするからな。PETに新機能をつけておいた。敵に攻撃を当てると敵のステータスが表示されるようになる。頑張れよ、お前しか頼れるやつはいないんだ。じゃあな。 パパ
 
とかいてあった。メールでパパが言っていたとおりに敵のステータスがPET画面に表示された。

Name:グリーンパペッツ 属性:自然 弱点:炎
 
説明:よく森などに現れるウィルス。頭から生えている葉っぱを飛ばして攻撃する。
 
「弱点は・・・炎か・・・・。炎っていえば・・・・。」
熱斗は自分の手札フォルダを確認する。そこには運良く炎系のチップ、『ヒートクロス』があった。チップをロックマンに送信。ロックマンはグリーンパペッツに向けて発射する。見事に命中するとグリーンパペッツは頭から一気に燃え上がった。メラメラと燃える炎の中でパペッツは消滅した。
「でも、これがザコウィルスだったとしたらここの主は相当の強さなんだね。」
「そうだな〜、よし、炎のチップをたくさん入れておくか!」
熱斗はPET画面の設定でフォルダを改造する。フォルダの大半は炎系のチップで埋まった。

「はぁ・・・・・長すぎるよ・・・。なんだよここ・・・。」
ロックマンもさすがに疲労の色が見え始めてきた。フォルダを改造した為にバトルには苦労しなかったがこの森はいくら進んでもちっとも出口は見えてこない。しょうがなくロックマンは近くの木陰で一休みすることにした。
「でも・・仮想世界って現実世界に似ているけれどちっとも夜が来ないよね、熱斗君」
「そう言われてみればそうだなぁ・・・。さっきから3時間は歩いてるから、もう夜になってもおかしくない筈なのになぁ?」
しばらく熱斗と雑談をして、さぁ、行こうかと思った瞬間、大型のウィルスがこちらに向かって突っ込んできた。
「ガバァアアアアア!!!」
まずは敵のステータスを知ることが大切だ。ヒートクロスをチップに送信し、ウィルスに向かって発射する。命中するとPETにステータスが表示される。
 
Name:フンゴオンゴ 弱点:??
 
説明:とてもパワーのある謎のウィルス。森や山、発生する場所はとわないが、場所によっては弱点、ステータスが違うようだ。
 
「おい、弱点わかんないってさ!」
「えぇ!でもフォルダの中はほとんど炎系チップだよ!?」
バスターで応戦するもこれでは一向に体力を削れない。熱斗は次にかけてチップをドローした。
「うわぁ!!」
ドローした途端、フンゴオンゴは激しい衝撃波を繰り出し、ロックマンを弾き飛ばしてしまった。
 
ロックマン HP600/800
 
「ち、ちくしょぉ・・・。」
ロックマンは立ち上がる。バスターで必死に攻撃するがほとんどダメージを与えられない。もう駄目かと思ったとき、チップが送信されてきた。 
「ロック!!このチップをつかえ!!」
送られてきたチップは『ソーラーバースト』。セブンスチップのうちの一つだった。ロックマンはバスターを構えパワーを溜め始めた。パワーがたまると同時にそれをフンゴオンゴに向けていきよいよく発射した。
「ガアアアア!!!!!!」
顔面に直撃し、フンゴオンゴは消滅した。残ったものはチップ一つ。
「これは・・・・・・?『バリアブルアロー』??」
「なんだろうこれは・・・・・・?」
見たこともないチップに驚く二人。説明も何も書かれていないのでとりあえず熱斗はフォルダの中に入れ様子を見ることにした・・・。

フォルダシティーへの道はまだまだ遠い・・・・・。

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