ロックマンエグゼ小説
ビスケット・EXEさん作
第4話 忍び寄る悪!
やっと自身を取り戻しつつある熱斗であった・・・・。
忍び寄る悪!
「よし、まずはミラーとベルが何処にいるか、見つけないとな!」
もう前の自分に戻った熱斗は炎山やメイル、デカオに話した。もちろんやいとはアフリシア旅行へ行っている最中である。
「あいつらの居場所なら俺が知っている。ゲームセンターに地下が発見されてなそこを辿ったら秋原町のど真ん中で止まっていたそうだ。言いたくはなかったがこの真下だそうだ・・・・。」
最後の言葉には不安が入り混じっていた。みんなは学校で何かが起こると悟ったようだ。
「・・・学校に何か起こるのかよ・・・・」
「それはわからん・・・・・・・・!!」
デカオの言葉に答えていた炎山は後ろに気配を感じ振り向く。そこには謎の黒いナビが三体現れた。
「!ここは現実世界なのに何故ナビが!?」
「知るかよ!とにかくロック!何とかしてくれ!」
熱斗は急いでロックマンに通信する。すぐにロックマンは逃げろとの合図をすると同時にPET画面からロックマンの姿がいなくなった・・・。それはブルースもガッツマンもロールも同じであった。
「何!?ロック!?ロック!!?おい!返事をしろ!」
熱斗はかなり焦っている。すぐ後ろには黒いナビが襲って来ている。誰も焦らずにはいられなくもあったしナビが襲って来るってことも信じられなかった。途端、熱斗のペットに電話が入ってきた。・・・・・パパからだ。急いで熱斗はPET画面を見る。
「熱斗か!?大変なんだ!急に電脳世界に亀裂が生じて・・・・消滅してしまったんだ」
「なんだって!?じゃあロックは・・・・」
「それは大丈夫だ。全てのナビ・・とはいかなかったがロックマンやブルース、お前の知り合いのナビはほとんど解除されている・・・・。」
パパの「解除」と言う意味がわからなかった熱斗は思い切って質問してみることにした。それと同時に後ろのナビを振り切って
「パパ!解除って何?」
「PET内に非難させたと言うことさ。ただそれじゃあネットバトルは出来ないからロックマンを現実世界に連れてくるんだ!」
「ロック(マン)を!?」
熱斗やみんなは驚く。あのナビであったロックマンを現実世界、つまり自分の住んでいる世界につれてくるということなのである。それは夢にも思ってもないことだった。嬉しさと不思議さがこみ上げてくる・・・・・。
「・・・・・・・よし、準備はいいか?炎山君も・・・・・」
「はい、お願いします。」
あたりが光に包まれて光の中から蒼いものが動き出す。その数は青くはないにしろたくさんはいるだろう。その蒼い物体はゆっくりと動き出しそして口を開ける。
「熱・・・・・・・・・・斗・・・・・・・く・・・・ん・・・・?」
小さくそして信じられないような姿が熱斗の目の前に現れた。熱斗は嬉しさと驚きが混ざった表情をし、その蒼い物体にゆっくりと近づいた。その物体も熱斗に近づく。
「熱斗君!」「ロック!」
二人同時に叫ぶ。よほど嬉しいのか二人とも泣きながら笑いあっている。メイルもロールと笑いながら目頭に涙を溜めている。まぁ、炎山は涙を溜めてもいないし笑ってもいなかったが・・・・。
「熱斗、喜んでいるのは今のうちだぞ。ロックマン達はいつまでもいられるって訳ではないんだ。せいぜい・・・・5分くらいだ・・・・・ところでそっちに黒いナビはこなかったか?」
パパは焦りながら次の言葉を待っている。熱斗も口を開いた。
「うん、ナビに追い掛け回された。今、デリートしてくるよ。」
「そうか、頼むぞ。今度はお前たちを仮想世界に送る。それまでになんとか時間を稼いでくれよ。」
仮想世界・・・・・電脳世界が崩壊した弾みにできたもう一つの電脳世界のことだ。とパパは説明してくれた。電脳世界と違う所は現実世界の風景に限りなく似ている。しかし、ナビ以外に人間も行き来できるのだがあまりにも磁力が凄いために普通の人間には出入りはできない。パパの悩みはここにある。熱斗達を送っても磁力が凄いためにあまり長く入られないと言うことだ。一時的に磁力を弱めれば後はパパがなんとかすると話していた。
「う〜ん・・・・・磁力・・・・・・ん・・・・磁?・・・・」
「あっ、そうだ!あの人に為に頼めば!!」
メイルは何かを思いついたようだ。大きく息を吸い決定的人物の名前を口に出す。
「ガウスさんよ!あの人のマグネットマンで何とかならないかしら!?」
これにはさすがに炎山も参ったという動きを見せた。前まで敵だったあのガウス・マグネッツが力を貸してくれるだろうか?しかも今は何処にいるのかもわからない。見つけ出して力になれというのは無理な話だろう。しかし、それ以外に当てになるという話も無い。熱斗達はしょうがなくデンサン周辺を探してみることにした。
「ってか居るわけねぇ〜じゃん・・・・。」
探し始めてから早1時間、一番最初に弱音を上げたのはもちろん熱斗とデカオ。こういうときだけは気が合う・・・。一応、デンサンタウン、秋原町、空港を探してみたが一向に見つかる気配も無い。もう諦めようかと誰もが思ったとき、奇跡は起こった。
「なぁ・・・・・・・あれ、ガウス会長じゃねぇ・・・・?」
デカオは力のこもってない声を出す。デカオが向く方向に熱斗を始め、皆が振り返る。・・・・・・・・確かにガウスっぽい老人だが何かが違う。そうゴスペル事件のときはもっと殺伐とした黒いスーツを着こなしていたが今は・・・・麦藁帽子をかぶり、お世辞にも似合うとはいえないサングラス。海でも無いのに酸素チューブを口にし、片手にU磁石の模様が入った浮き輪を手にしている。・・・・・・これはいくらなんでもと皆が思った。しかし、U磁石の浮き輪のおかげで絶対違うとは言い切れない。そんな思考が頭を過ぎっている。今度は向こうが近づいてくる。なぜか体をクネクネくねらせてこちらへ向かってくるので炎山含め皆が後ずさりをした・・・。
「ヘイ!ヒカリ君!お久しぶりですネ!」