ロックマンエグゼ小説
ビスケット・EXEさん作
第3話 闇の帝王 ミラー
謎の震えがおこったロックマンと熱斗は嫌な予感がする気にもなった・・・・。
闇の帝王、ミラー
熱斗とロックマンは順調に勝ち続けとうとう決勝戦にやってきた・・・・。次の対戦相手とは全身、黒いマントをかぶり顔の半分以上を隠していた。するとさっきの寒気がやってきた・・・・・・・。さすがに熱斗は気付く。この相手は只者じゃないと・・・。
「光熱斗・・・・・・・・・ふふふ・・・・・・・会いたかったぞ・・・・・。」
謎の黒マントは誇らしげに熱斗に語りかける。地の底から響いてくるような声に全身が震えた・・・・・。そして同時に恐怖もこみ上げてきた・・・・・・。
「さて・・・・・・・早速やろうか・・・・・・・・?」
「お、おう・・・・・・・・」
それ以上、熱斗は喋べらなかった。いやっ、喋れなかったのだ。その何者かもわからぬ恐怖に・・・・・。
「くっくく・・・・・・・・・・・・・おっと、では初め!」
審判が叫ぶ。それと同時に二人はそれぞれのナビを電脳世界へ送り込む。
「油断は出来ない・・・・・。」
ロックマンは呟く・・・・。すると黒い影がロックマンの頭上を通り過ぎた。ロックマンはそのすばやさと威圧感に圧倒される・・・・・。
「ふっ、こいつの名前はカオス・・・・・。正確に言うとロックマン・ゼロだな」
「ゼロ!?」
熱斗が思わず叫ぶ・・・・・どこかで聞いたような言葉だった・・・。しかもロックマン・・・・・・・・・・ゼロ・・・・・・・・。
「カオス、「ブラッドソード」!」
「ブラッドソード!?」
ロックマンはさらに驚く。今まで何回も電脳世界にも行ってさまざまな敵と戦ったと言うのに聞いたこともないチップだったからだ。そのブラッドソードたるものの形はソードが赤色に染まっているまさに血のような色をしたソードだった。するとソードはカオスの腕に変化する。ロックマンの腕を軽く切り裂くとブラッドソードの色はより濃くなっていった。
−ロックマン HP550/800
「ぐわっ!!」
「だ、大丈夫か!?ロック!」
その時ロックマンは気付いた。熱斗の様子が違う・・。自分だけではなく、熱斗も焦っているのだと・・・・・。この恐怖に戦っているのだと・・・・・・。
「はぁははは!!カオスよ!存分にいたぶってやれ!」
黒マントはカオスに向かって酷く腐った笑みをする。カオスもそれにうなずくとロックマンの急所をずらして何度もブラッドソードを振った。まさに血の雨のごとくすばやく振り下ろしてくるカオスにロックマンは防御だけしか出来なかった・・・。
−ロックマン HP35/800
「はぁはぁはぁ・・・・・・くそっ!」
ロックマンの息が上がるのも不思議ではない、それもそうだ先程から何回もブラッドソードを受けているのだから。しかし、右にソードを避けても左にソードを避けてもカオスにはこれと言った隙も見当たらない。そんなことを考えていて下にある障害物に気付かなかった。
「ロック!くそっ、あいつの動きはなんなんだ!」
熱斗もろくなオペレーションが出来ない。指示を出す前に攻撃を受けているのだ。
「もう遊びはここまでだ!カオス!ルナティックデス!」
カオスはソードに力をこめる。そうするとソードは紅く光り、大きさを増していく。その光をロックマンに向けて発射した・・・・・。
「ロックーーーーーーーーー!!!!!」
−ロックマン HP0/800 再起不能
「試合終了!え〜と、黒マント君、名前教えてくれるかね?」
審判が言う。黒マントの少年は
「おい・・・・・もういいだろ・・・・・・・そろそろ計画を始めるぞ・・・」
計画!?審判にそんなことを言っていたことを熱斗、メイルは聞こえた・・・。
「はっはっはっは・・・・・・・そろそろ始めるか・・・・・」
審判も気味の悪い笑みを浮かべる・・・・・・もしかして、二人は知り合いなのだろうか?
「はっはっは!!!今からこのゲームセンターにいるナビを全て破壊する!!」
審判はそう叫ぶ。これには会場全員も慌てる。
「おい!もう光熱斗は不必要だ!追い出せ!ベル!」
黒マントに向かってベルと呼んだ。ベルと呼ばれた少年は・・。
「ふっ・・・・・カオス・・・・行くぞ・・・・おい、ミラー・・・忘れるなよ」
「おい、私の名前はミラーじゃなくてミラー伯爵だぞ!」
そんな声も聞こえない・・・・・・・・・・熱斗はゲーセンの外へ追い出される。しばらくは何もすることが出来なかった・・・・。 ただただ店の奥でナビ破壊が始まってもなにも・・・・。
あれから1週間が過ぎた。ミラーと名乗ったあの審判はゲーセンの電脳にいた全てのナビを破壊した・・・・・・・とニュースで言っていた。ベルといい、ミラーといい何かがおかしくなっている・・・・。そして・・・・・・熱斗も・・・・・・。
「熱斗・・・・・おはよっvv」
「・・・・・・・・・・ああ・・・・・・・・・」
メイルはよほど心配したが明るく振舞った。しかし、今の熱斗にはそんな気遣いも必要ない。大好きな体育の時も大好きなプリンが給食に入ってたって熱斗は笑いもしないし、喜びもしなかった・・・・・。
「・・・・・・・・・あっ!炎山君!」
メイルは帰宅途中、目の前にいた人物に驚きつつも少し期待もする。炎山がこの町に来る時は任務か熱斗関係のことなのだ。だから熱斗を救えるのは炎山しかいないと思ったのだろう。
「・・・・・桜井・・・・・サン・・・・・・・光は何処にいるか知っているかい?」
初めて出す名前にと間取りながらも炎山は何とか用件を言う。メイルは答える。
「多分・・・・・・・教室にいると思うわ・・・・・・5−Aよ・・・・」
「ありがとう。」
そう言うと炎山は学校へ足を向け、歩き出した・・・・。
「光!」
「・・・・・・・えっえっ、炎山・・・!?」
熱斗も炎山が学校にまで乗り込んでくるとは思わなかったのでかなり困惑した。
「・・・・・・光・・・・・バトルするぞ・・・・・・」
そういうと炎山は教室を去っていった・・・・。窓から除くともう校庭の真中にいる。熱斗はとりあえず後を追うことにし、教室を後にした・・・。
「・・・・・・光、今回は任務で来たのではない。お前のあれ以来のふがいなさを直すために来たのだ!お前は言ったいどうしたというのだ!ロックマンが初めてやられて落ち込んだのか!?だとしたらお前は馬鹿だ!」
炎山は自分の言っていることを全て熱斗にさらけ出した。とおまわしに心配しているのだろう。なにせ熱斗は初めて出来た「友達」と言うものなのだから。
「・・・・・俺だって・・・・・落ち込みたくて落ち込んだんじゃない・・・・」
「・・・・・・・お前には失望した。今までのお前は失敗にも恐れず立ち向かった。それでゴスペルを壊滅させた。だが今のお前は何だ!?1回の勝負に負けたくらいで・・・・ただの勝負じゃないか?」
「ただの勝負じゃない!アイツは・・・・・恐ろしいやつなんだ・・・・。」
熱斗は震えながらも話す。ロックマンもあれ以来は熱斗に話し掛けてはいない。というより話す言葉が見つからないのだ。
「・・・・・そうか・・・・・では一回バトルをしてみよう。一種の懸けと言うものだ。おまえが勝ったら好きにしていい、落ち込むなり泣くなり好きにするが良い。ただし俺が勝ったら奴等の討伐に向かってもらう。」
あまりにも勝手に決めたことだが熱斗はこれで心が落ち着くならと懸けに乗った。
「バトルオペレーション セット イン!!」
「(ありがとう、炎山君・・・・・)」
ロックマンは熱斗の自信を取り戻させるのはバトルしかないと思った。それは炎山にも同じだった。
「いくぞ!「ワイドソード」!」
「ロック!・・・・・・「ファイターソード」!」
チップが転送される音が妙に懐かしく感じた。全身に伝わってくる緊張感、これがたまらなく熱斗は好きなのだ。そして自分の考えた想像のイメージを完璧に再現してくれるのだ。
「くっ、まだまだ〜!(熱斗め、やっと昔の目を取り戻したな・・・・)」
これで心置きなく戦える、そう思った。俺のライバルと言うものはこうでなくてはっと思う炎山であった・・・・・。
「はぁはぁ・・・・・・・・ありがとよ、炎山・・・・。」
「ふん、引き分けと言う所か・・・・?後はお前の好きにしろ・・・・・・」
そんなこと、最初からわかっている・・・・。目を見れば・・・・。
「いやっ、俺、あいつらを倒すよ。もうナビ破壊なんてさせない!」
「それでこそお前だ・・・・」
友達と言うのもいいものだな・・・・・・と思う炎山であった・・・。熱斗の戦いは始まったばかりだ・・・。